今月のシカゴで行われた癌学会ASCOでオンコタイプDXの新しい研究結果が報告され、NEJMという雑誌にもその内容が掲載されました。

オンコタイプDXはホルモン受容体陽性の乳がんの遺伝子を調べることで再発リスクを測定し、化学療法を上乗せするかしないかを決定するためのツールとして用いられています。再発リスクが低い(RS<18)場合にはホルモン治療のみ、再発リスクが高い(RS≦31)の場合にはホルモン治療に加えて化学療法を行うことが勧められますが、中間リスク(RS18-30)の場合には化学療法を行うのか行わないのか決定が難しいという問題がありました。

今回の報告は、6711人のホルモン受容体陽性・HER2陰性・腋窩リンパ節転移陰性で、低リスクの高い方から中間リスクの中間くらい(RS11-25)の患者さんを対象にした研究で、ホルモン治療単独群とホルモン治療+化学療法群にランダムに割付してその後の無再発生存率を解析したものです。

結果は、ホルモン治療単独群とホルモン治療+化学療法群の無再発生存率は同等であるというものでした。浸潤癌無再発生存率、遠隔又は局所無再発生存率、全生存率ともに同様の結果でした。ただし、化学療法の効果は年齢と再発スコアの組み合わせによって様々であり、50歳以下でRS16-25の場合にはいくらかの化学療法の効果が認められるとの結果でした。

(Adjuvant Chemotherapy Guided by a 21-Gene Expression Assay in Breast Cancer. Sparano et al. NEJM, June 3, 2018)

化学療法を避けられる人たちがより明確になったのはとても有益なことです。