パピローマウイルスの感染と子宮頸がんとの関連など、感染症と発がんが関わっている場合があることは知られていますが、乳がんに関してははっきりとしたものはまだ解明されていません。ただ、これまでにもそういった研究は多くなされているようです。

今回ご紹介するのは最近発表された、ウシ白血病ウイルスの感染が乳癌発症リスクと関係があるのではないかという論文です。

米国テキサスのMDアンダーソン癌センターで得られた216人の乳腺組織からDNAを解析し、ウシ白血病ウイルスとヒトパピローマウイルスのDNAを検出したものです。

ウシ白血病ウイルスのDNAは、良性と診断された組織に比べて、乳がんと診断された組織でより高頻度に検出されたという結果でした。前癌病変でも同様であったとのことです。

これに対し、ヒトパピローマウイルスは乳がんとの関連性は認められなかったとのことでした。また、ヒトパピローマウイルスとウシ白血病ウイルスの間にも関連性は認められなかったとの結果でした。

Kimberly A. Baltzell, Cancer, Volume124, IssueApril 1, 2018

日常臨床にすぐ関わるようなものではありませんが、興味深い論文と思いました。