ASCO6月7日のDaily Newsを読んで少々興奮している院長の森です。乳がんの術後ホルモン療法が大きく変わることになりそうです。

これまで閉経後のホルモン感受性陽性乳がんの術後内分泌療法は、アロマターゼ阻害剤5年間というのがスタンダードでした。今回はアロマターゼ阻害剤の投与を10年間に延長した群の方が5年間のみの群に比べて再発しない人が多かった(95%対91%, HR0.66)という新しい研究の成果が報告されました。この研究でのアロマターゼ阻害剤はレトロゾール(フェマーラ)が用いられています。

無再発生存率の改善はリンパ節転移陽性の群では有意に認められたが、リンパ節転移陰性の群では有意な改善はなかったとのことです。

経過中に反対側の乳がんを発症する率はレトロゾール投与群では年率0.21%、投与なしの群では0.49%と、有意にレトロゾール投与群で対側乳癌の発症が抑えられたとのことです。

ただし副作用の点では注意が必要のようです。骨痛、ALP上昇、骨折、骨粗鬆症はレトロゾール投与群で有意に多いという結果でした。

この報告からは、リンパ節転移陽性のホルモン感受性陽性閉経後乳がん患者さんには、骨に注意しつつ、術後ホルモン治療を5年から10年に延長する方向に変わっていくと思われます。